神戸市西区 生活訓練事業所リカバリーセンターかなで ピアスタッフが届けるリカバリーストーリー3/4

私のリカバリーストーリー

ゆみこ

 

母には、幻聴が聞こえていることは言えません。悲しむからです。だからいつも一人で泣いています。でも社会に出て、人と繋がっていくと苦しさもだいぶ楽になりました。かなでのピアスタッフとして思うことは、私は行動がスローだったり、理解力だったりが以前より格段に落ちてしまったなと思っています。健常者の方の倍のぐらい作業をするのに時間がかかります。かなでの職員さんは優しい方ばかりです。それも私が働くうえで重要なことです。私は、人間関係で悩むことが多いので、みなさんに優しくしていただいているのは本当に感謝しています。でも、働いているときに幻聴が聞こえるときは辛いです。頓服を飲んで仕事に集中するようにしています。働ける喜びと幻聴が聞こえる辛さと戦っています。人に「今何しているの?」と聞かれたとき、「働いています。」と言えるとき、嬉しいです。最初は、障害の事をオープンにして働くことに抵抗がありました。みんなにいじめられたり、変な目で見られたりするのではないかと思っていました。でも、実際に働いてみると、オープンにして働いてよかったなと思っています。かなでは、精神疾患のある方がゆっくり過ごしつつも今よりもより良い生活をするためにということを目標にする施設です。利用者さんにも私が統合失調症であることを伝えました。もし利用者のみなさんが悩むことがあるなら面談をさせて頂いてもよいとセンター長の許可をいただきました。職員さんにも利用者のさんにも病気のことをオープンにして働けていることは気持ちの上で、とても軽くなりました。いつも病気のことを隠さなくてはと行動していた私にとって、こんなに恵まれた職場はないと思っています。ただやっぱり少し幻聴で辛くなることも事実です。私の母は私に、デイケアに毎月行っているだけでいいという考え方をしています。だから私が働くことに反対していました。でも働くことで辛さもありつつも一歩前に踏み出した私は少し強くなれた気がします。私がかなでで働けるのは周囲の人の支えと感謝の心を持てるようになったからかもしれません。先ほど書かせていただいた私のチームは私が働き続けるためにはとても重要です。精神障害者が働くうえで、周りに相談できたり、支援してくれる人がいたりすることが必要だからです。そして、初めてのお給料日はとても嬉しかったです。通帳に振り込まれていた時、「よかった。」と思えました。そして、そのお金で、姪に小学校入学祝いを送り、恋人にプレゼントをして、母に外食をごちそうしました。来月からはもっと節約しないといけませんが、プレゼントは有効なお金の使い方だと思っています。

 

→次回、ホームページを見ている方、その家族に伝えたい事

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